2023/2/23

映画生きる(69)

       生きる(23)。。。。。。。原作イワン イリッチの死では主人公が何度か一人涙を流す場面が描かれています。映画でも渡辺勘治の同様の状況を幾つかの角度で捉えています。一度は自分の病気が不治である事を悟るも誰にも言えず、頭から布団を被って声を押し殺して泣く場面です。男は人前で泣くものでないと子供の頃聞いた覚えがあります。それから唯一話が出来るとよに余命僅かである事を伝えた時です。声は出さず目に一杯の涙を見せます。いずれの時も最愛の息子や兄との場面ではなかった事に注目しました。小説では未亡人が夫亡き後の生活を心配する様子が書かれていますが、映画では逆に息子夫婦は父親の思いがけない配慮に感謝します。子供の前で弱い父親を見せずに済んだ勘治さんは幸せだったと思います。