2023/2/1

映画生きる(53)

        生きる(7)。。。。。。。。住環境についてロシア時代の高級官僚の居たくと戦後日本の公務員とでは随分と違っています。映画生きるでの主人公の場合は息子夫婦との同居生活で昼間伯母さんに家の手伝いに来てもらっています。私たちの子供世代は家にお手伝いさんがいるもの珍しくありませんでしたが、現在の日本では少なくなって来ています。単身の高齢者の家庭へのヘルパー派遣が公的に整備されつつありますが戦後間もない頃は親との二世帯は良く見かけました。一階と二階には階段があり短い階段が親と子の所帯を分ける安全地帯の役割も果たします。息子に自分の死が迫っている事を伝えようと何度も昇り降りする姿で心の動揺を巧みに表現しています。完全な個室でなく子供夫婦の部屋から漏れてくる音や光にも反応する繊細さは日本建築の長所かも知れません。