2022/12/27

映画生きる(26)

       イリッチの死(9)。。。。。。。。「グラーシム」と主人が使用人を呼ぶことは不自然ではありませんが、痛みに苦しむ身には何か二人の立場が逆転している様な印象もあります。社会的立場と健康面での立場との違いの中で「嘘がない」使用人の態度に何よりも安堵します。わたしはこの呼び捨てはある種の親しさの表現でないのかと思います。同様に病魔に対して「あいつ」と表現しているのは特殊な言い方です。あいつとの戦いに味方となってくれる人とグラーシムを受け入れたのだと思います。そのグラーシムは主人の為というより「死にかかっている人間のためにしている」と言っています。そうすれば自分の同様の看取りをしてもらえるかも知れない。