2022/8/17

映画アマデウス(20)

      殺人(2)。。。。。。。。死の直前魔笛上演中倒れた被害者を自宅まで送り家人が居ないので傍にいて様態を見守る犯罪者の表情からは「憎しみ」の感情は伝わってきません。被害者の言葉の様に「最後まで近くにいてくれる大切な人」であると言う被害者から加害者への感謝の言葉が自然に伝わって来ます。私はこの言葉は加害者にとっては「神の声」だったのだと思います。凶器のない犯行ですが衰弱時のレクイエム作曲の共同作業は死を早める事になり、まさに「悲しみの疾走」であり傑作に関与する二人の「至上の喜び」でもあったと思われます。翌朝戻った音楽家でない妻が夫(被害者)に詫びる言葉を最後に聞いてその後被害者は亡くなります。映画では死の前後の二人の関係は加害者、被害者の立場を離れてともに鎮魂曲の創作に夢中であり日常を超えた時であったと考えられます。